砂漠に雪を降らせてみせよう!
購入したのは単行本ではなく最近出た新装版のほうなんだけど、製品レビューの検索でこっちしか出なかったので。
基本的には学生生活を楽しむ5人の大学生の四季のお話なんだけど、そこは伊坂幸太郎、普通の青春モノでは終わらない。
社会という「砂漠」に囲まれた大学という「オアシス」で、北村、西嶋、東堂、南の東西南北(名字の頭が)で麻雀したり(さらにはもう一人も鳥井で鳥とこれまた麻雀絡み)、合コンしたと思ったら嵌められたり、ちょっとした超能力が出てきたり、プレジデントマンという犯罪者の影に翻弄されたり、学祭で超能力を否定する学者に一泡吹かせようとしたりと、普通の学生生活とはちょっと異なった、けれど離れすぎてはいない風景を描いている。
相変わらず音楽や古典文学、映画からの引用の仕方や小道具的な伏線の配置と処理が巧みでユーモアの効いた会話も健在。
ただ、どっちかというと「チルドレン」や「死神の精度」のように、短中編の集まりで長編っぽく書いていて、そこに話内での伏線の配置と処理と同時に別の話への軽い伏線を混ぜつつも大きな仕掛けはないんだなと思っていたので最後にやられた。
実際にはそこまで大きな仕掛けではないのだけど、ごく自然と四季の日常とちょっとした非日常を面白おかしく描いているので、後で読み返してそうかこんな何気ない会話もしっかり伏線になっていたのかと感心させられた。
かといって伊坂作品を読むたびに毎回そういうトリックを意識しすぎると「チルドレン」「グラスホッパー」みたいに大仕掛けは打ってこない作品もあるので、色んな意味で気が抜けない作家だなぁと思った。
購入したのは単行本ではなく最近出た新装版のほうなんだけど、製品レビューの検索でこっちしか出なかったので。
基本的には学生生活を楽しむ5人の大学生の四季のお話なんだけど、そこは伊坂幸太郎、普通の青春モノでは終わらない。
社会という「砂漠」に囲まれた大学という「オアシス」で、北村、西嶋、東堂、南の東西南北(名字の頭が)で麻雀したり(さらにはもう一人も鳥井で鳥とこれまた麻雀絡み)、合コンしたと思ったら嵌められたり、ちょっとした超能力が出てきたり、プレジデントマンという犯罪者の影に翻弄されたり、学祭で超能力を否定する学者に一泡吹かせようとしたりと、普通の学生生活とはちょっと異なった、けれど離れすぎてはいない風景を描いている。
相変わらず音楽や古典文学、映画からの引用の仕方や小道具的な伏線の配置と処理が巧みでユーモアの効いた会話も健在。
ただ、どっちかというと「チルドレン」や「死神の精度」のように、短中編の集まりで長編っぽく書いていて、そこに話内での伏線の配置と処理と同時に別の話への軽い伏線を混ぜつつも大きな仕掛けはないんだなと思っていたので最後にやられた。
実際にはそこまで大きな仕掛けではないのだけど、ごく自然と四季の日常とちょっとした非日常を面白おかしく描いているので、後で読み返してそうかこんな何気ない会話もしっかり伏線になっていたのかと感心させられた。
かといって伊坂作品を読むたびに毎回そういうトリックを意識しすぎると「チルドレン」「グラスホッパー」みたいに大仕掛けは打ってこない作品もあるので、色んな意味で気が抜けない作家だなぁと思った。
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