むんこの「だって愛してる」の後日番外編みたいなもん。
だって愛してるは寺田夫婦の物語だったけど、これはその娘木の葉と先輩作家の畑中、そしてその亡き妻の幽霊の物語。
むんこ作品は「らいか・デイズ」と「だって愛してる」しか読んでないので他はどうか知らないですけど、コメディを基本としながら、作品を包む優しさがとても好きなんですね。
決して無条件のものだけではなくて、時には厳しさの中に含ませたりすることもあるけれど、この人の作品は本当に登場するキャラに、そして読む自分たちに対して優しい。

そして今作。おっさん救済物語と作者自ら帯で言っているだけあってこの作品で描かれている穏やかな愛情の描写がもう自分にとってストライク。
といっても大半はおっさんが木の葉を溺愛していちゃつくか、唯一幽霊と交流の出来る木の葉が妻の幽霊と遊んでいるだけなんですけどね。
その中で時折ひょいとおっさんと妻とのささやかな交流が書かれるんですが、この手のテーマには最後には別れが待ってると予想がつくのにそれでもちょっと涙出そうになりました。
こういうお話でありながら下手に感動の押し売りをしていないのが個人的にはよかったです。もちろんファンタジー要素を含んでいるので全くないわけではないけど、さっと挿入するのが上手くてボディブローのようにきいたので最後はベタなんだけどやられた感じ。
コメディが基本になってるのもやっぱりあるかな。
あとは下手に引き延ばさないで単行本1冊にまとめたのも個人的には好印象。


「だってあいちてる」単体でも一応楽しめるけど、「だって愛してる」を読んだ方がより楽しめます。

コメント

mrgreed
2012年10月14日5:51

無理なさらず、体調を崩すのはまずい
SRO

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